2月になりましたね。日本の大学は秋学期が終わり春休みが始まった頃だと思いますが、アメリカでは一カ月の冬休みが終わり、春学期が先週から始まりました。アメリカの冬休みについては以前まとめたのですが、キャンパスからほとんど人がいなくなってしまい、することがあまりなかったので正直孤独でした。ですが、そんな冬休み中でも毎日欠かさず行っていたのが、運動不足解消のための徒歩と、英語力・時事力強化のための英語ニュース視聴です。本日は、その中でも私が最もお勧めしたい、ABCワールドニュースについて紹介していきたいと思っています。
アメリカの大学での冬休みの過ごし方については、こちらのブログをご覧ください!→https://rh-studyabroad-trip.blog/winter-vacation-and-how-to-spend-it-in-japanese/
ABCワールドニュースとは
まずはABCワールドニュースの詳細情報について、ここにまとめていきたいと思います。
正式名称:ABC World News Tonight with David Muir (ABCワールドニュース)
アンカー:デイビッド・ミュアー(平日・土日はアンカーが変わる)
放送時間:午後6:30から午後7時(アメリカ東海岸時間)
放送国:アメリカ合衆国
言語:英語
収録スタジオ:ニューヨーク州ニューヨーク・マンハッタン
ニュースの特徴:政治、科学、健康などの注目度が高い時事ニュースを取り扱う。暗い内容が多い日には、最後に明るい内容を扱うこともある。
公式ホームページ:https://abcnews.go.com/WN
視聴方法:ABC news ホームページ、ABC news アプリ、ABC news 公式YouTube等 (アメリカのテレビのケーブルがない場合、全ては視聴することができませんが、ほとんどは視聴できます)
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ちなみに私はYouTubeで視聴しています。
このニュースを知ったきっかけ
今でこそこのABCワールドニュースを毎日視聴している私ですが、アメリカに来た当初はそもそもこのニュースの存在を知りませんでした。
イギリスのBBCニュースやアメリカのCNNニュースなどは名前を知っており、数回視聴したことがありましたが、正直アメリカに来るまでは海外のニュースを視聴することはほとんどなかったのです。
では、なぜこのABCニュースを知ったのでしょうか。
それは、2024年9月10日に行われた当時副大統領のカマラ・ハリスと現大統領のドナルド・トランプによる大統領候補演説会を放送したのがABCニュースだったからです。
この討論会は大統領選挙が行われる年に行われるもので、私はアメリカ政治の授業を取っていたこともあり、視聴して感想をまとめることが課題になっていました。
アメリカへ行ったのが八月の後半だったので、まだその時は一カ月も経っておらず、アメリカの早い英語には慣れていなかったので聞き取れるか非常に不安でしたが、挑戦してみました。
ご存知の方もいるかと思いますが、ハリス・トランプの両氏ともに英語は非常に聞き取りやすく(前大統領のジョー・バイデンは難易度が高めです)、もちろん100%ではありませんでしたが、大部分は理解することができました。
この大統領候補討論会はこちらから!
そしてその時に司会を務めたのがABCニュースのデイビッド・ミュアーで、私は初めてその時にミュアーの英語を聴きました。
私はこの時にミュアーの英語がとにかくかっこいいなと感じ、そこからABCニュースを少しづつ見るようになり、秋学期中は毎日ではないもののABCワールドニュースも見始めるようになりました。
つまり、大統領討論会が非常に重要なキーポイントになってくれたのです。
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ABCワールドニュースの内容
では実際に、ABCワールドニュースではどのような内容が扱われているのか、1/30, 1/31, 2/1放送分を例にとってお伝えしていこうと思います。
先にお伝えしておきますが、残念ながら、この三日間では暗いニュースばかりとなってしまいました。
1月30日分
この日はいつもとは異なる放送になりました。
普段だと、上の詳細で述べた通り、デイビッド・ミュアー等のアンカーがニューヨーク・マンハッタンにあるスタジオからニュースを放送するのですが、この日はワシントンDCからの緊急の現地リポートとなりました。
ABC Worldニュースでは緊急ニュースを報道する際にはミュアーが現地に向かい放送することがあります。
最近だと、日本でもおそらく報道されたと思いますが、カリフォルニア州ロサンゼルス郊外での大規模な山火事が先月に起こった際に、ミュアーがカリフォルニアまで行き現地レポートとして放送されました。
そして今回は、1/29夜に首都ワシントンDCのレーガン空港の近くで訓練中だったアメリカ軍のヘリコプターとカンザス州ウィチタ発ワシントンDC行きのアメリカン航空機が衝突し、両機乗客乗員合わせて67人が亡くなるという事故が発生したことを受け、1/30の放送がワシントンDCからの中継となりました。
先ほど述べた通り私はYouTubeでこのニュースを視聴しているので、CM等が省かれてニュースは20分ほどなのですが、そのほとんど全てがこの事故に関する内容でした。
ABCワールドニュースでは冒頭の2分ほどがイントロダクションとして、報道する主な内容を簡潔に紹介し、その後それぞれのニュースについて深く説明をしていく形になっています。
この日は20分のうち最後の1分でハマスによって解放された人質に関するニュースとアメリカで現在活発な嵐についてのニュース(天気予報)を軽く報じた以外は全てこの事故に関する内容でした。
事故が起きたワシントンDCへ行ったミュアー本人が消防署の署長と話した内容が報道されたほか、地図や動画を用いた事故の詳細やアメリカン航空機に乗車していたフィギュアスケート関係者について、そして遺族へのインタビューなどが10分以上かけて放送されました。
普段であればこの後別の内容へ移るのですが、アメリカでの航空機事故は非常に珍しく、かつ非常に怖い事故だったため、衝突したヘリコプターについての報道(衝突当時、ヘリコプターは200フィートを飛行するべきであったのにも関わらず、実際は350フィートほどだったこと、ヘリコプターに乗車していた3人の乗組員はいずれも経験豊富だったこと)が続いてされました。
最後にこの事故に対するトランプ大統領の会見で、トランプがDEI政策と民主党を証拠なしに批判したということが報じられました。
改めて、今回のワシントンDCでの衝突事故によって亡くなられたアメリカン航空の乗客乗員、そしてヘリコプターの乗組員のご冥福をお祈りします。そして事故発生の10分後には両機が墜落したポトマック川で救助活動が開始しました。夜にも関わらず、救助活動に向かわれた全ての関係者に感謝申し上げます。
1月31日
信じられませんが、この日は今度、フィラデルフィアで患者を運んでいた小型機が街中に墜落し、そのあたり一体が大炎上しました。
ですので今度は、ワシントンDCの墜落事故に加えてフィラデルフィアの墜落事故についても大きく報道されました。
ですがこの日は、二つの航空機事故以外にもいくつかの内容について報道されました。
例えばトランプがアメリカの重要な貿易相手国であるカナダとメキシコからの輸入品に対して25%の関税をかけるということ、そして元NBA選手のドウェイン・ウェイドが癌にかかっているということ、そして金メダルを2回獲得した元フィギュアスケート選手のディック・バトンが亡くなったことも取り上げられました。
また天気に関する内容は、ほぼ毎日放送されていますが、意外と理解するのが一番難しかったりします。
紹介されるトピックの数(ここではbreaking newsとして呼ばれている)は日によって違いますが、この日のように6・7個の日が一番多いように感じます。
ですが墜落事故のニュースが二つもあるのは私が見始めてからは初めてで、関税に関しても今のところマイナスの内容なので、総じてこの日も幸せな話題はありませんでした。
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ちなみにこの日は、ミュアーはワシントンDCからニューヨークに戻り、ABCニュースのスタジオからの中継でした。
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2月1日
最後に昨日のニュースで報じられた内容について軽くまとめたいと思います。
この日は土曜日だったため、ミュアーはお休みで、女性の方(レンジー・デイビス)がアンカーを務め、大きく4つの内容が時間をかけて報道されました。
それはフィラデルフィアの墜落事故、ワシントンDCの墜落事故、カナダとメキシコへの25%の関税、そして人質になっていたアメリカ系イスラエル人がハマスによって解放されたということです。
これらのトピックはいずれもこの三日間で2回以上触れられたものであるため、重要度が非常に高いものであることがよくわかります。
このABCワールドニュースの特徴として、放送時間が20分ほど(残りはCMになります)なので、扱える内容に限りがあるため、本当に重要なニュース(breaking news)ばかりを知ることができます。
他にもトランプがソマリアでISISに対しての攻撃を命令したことや、ミシガン州で爆発が起き子供が亡くなったこと、ごみ収集中に酸素タンクが爆発したことなどとにかくマイナスな内容ばかりが報道されました。
あまりにもマイナスな内容が多い週だったので、最後に#AmericaStrongというコーナーで、ワシントンDCの墜落事故の後に懸命な救助活動を行なった人たちへ食事を提供するレストランの様子が紹介されてニュースが終わりました。
先月のロサンゼルス郊外の山火事の時にも、家を失った人たちのために食事を提供する人々の様子がこのコーナーで紹介されていたので、詳細でも述べた通り最後に明るい内容を報道することで視聴者に勇気を与えています。
#AmericaStrongは毎日ではないものの、ニュースの最後に付け加えられて報道されるインデックスで、このコーナーは明るくユニークな内容になっているので、個人的には結構好きです。
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日本のニュース番組でも、重要な話題・内容の間にコラム的な内容を挟むことが多いですよね。
ABCワールドニュースの英語レベル
ここまでABCワールドニュースの詳細、知ったきっかけ、具体的な報道内容についてまとめたので、最後にこのニュースの英語レベルについて書きたいと思います。
デイビッド・ミュアーはバリバリ英語ネイティブのアメリカ人ですので、発音や抑揚が本当に素晴らしく、訛りや特有のイントネーションなどが一切ないため、英語のリスニングに慣れている方ならまず困ることはないと思います。
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正直、デイビッド・ミュアーの英語が聞きたくてこのABCワールドニュースを聞いていると言っても過言ではありません。それくらい聞いていて気持ちの良い英語です。
しかし、日本の中学と高校を卒業し、海外経験がない一般の日本人の場合は、例え英語が得意だったとしても苦労する人が非常に多いと思います。
それはなぜかというと、ミュアーの英語はスピードが非常に速いからです。
私も中高で英語が得意で、成績はかなり良かったのですが、当時アメリカやイギリスのニュースの内容はあまり聞き取ることができませんでした。
というのも、日本の学校で取り扱うリスニング教材は日本の学生向けなので、スピードが遅かったり、単語を繋げて発音しなかったりと配慮されていることが多いです。
ですがABCワールドニュースはアメリカ人など英語ネイティブ向けのものであるため、そのような配慮は一切されておらず、日本人など多くのノンネイティブスピーカーを苦しめてくるのです。
私も高校生の頃は同じ英語なのに学校教材は聞き取れて、ニュースは聞き取れないという事実が悲しくて、あまりニュースを聞く気にはなれませんでした。
しかし、それだと一生英語のニュースを聞き取れるようにはならないですし、せっかく英語を頑張って勉強した努力が(全部とは言いませんが)無駄になってしまいますよね。
結局、いくらスピードが違っても使用言語はどちらも同じ英語なので、高校生までの語彙力がしっかりついていれば、毎日ニュースを聞いていくうちにある程度理解できるようになります。
ですので、最初の聞き取れない時期に挫折さえしなければ、必ず聞き取れるようになります。
アメリカに来て感じるのは、めちゃくちゃ早口のネイティブの英語と、ラテン系が話すゆっくりな英語(スペイン語のような発音をするので聞き取りづらい)だと、前者の方が聞き取りやすいということです。
あとABCワールドニュースという名前ではあるものの、内容の大半はアメリカについてなので、アメリカの地名や政治用語、背景などを知っておく必要がありますが、慣れとアメリカの事柄の知識があれば数ヶ月で一気に理解できるようになります。
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ABCワールドニュースで英語力と時事力の両方を一度に向上させましょう!
ちなみに本日2/3に、メキシコ・カナダからアメリカへの輸入品に対してかけられる予定であった25%の関税の実施が少なくても1ヶ月延期することが政府から発表されました。
現在アメリカに留学している私としては、メキシコ産のミニトマトをスーパーで毎週買っているため(現在1パック$4ほどです)、延期になったのは経済的に非常に助かります。
一部報道では、この関税が施行されることによって、1家庭の一年間の支出が$830増加するとも言われており、反対派が多数となっていますし、ホッケーの試合前のアメリカ国歌演奏中に対戦チームのファン(そのチームはカナダに本拠を置いている)がブーイングをしたことも話題になっています。
また、Google検索において関税についての検索数が、歌手のテイラー・スウィフトについてのものを超えるほど、現在アメリカ人の関心が高まっています。
この一ヶ月間でアメリカ・メキシコ間、そしてアメリカ・カナダ間で前向きな話し合いが行われることを望んでいます。
本日はABCワールドニュースの紹介でした。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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