今回は久しぶりにアメリカについてまとめて行きたいと思います。何故かと言うと、やはり日本語で書かれたアメリカの情報は日本の情報より圧倒的に少ない(当然ですが)ので、現在アメリカにいる身として皆様にお伝えしたいことが沢山あるからです。その中でも今日は、私が現在留学をしているストー二ーブルック大学が位置しているロングアイランドについてまとめて行きたいと思います。本日もよろしくお願いします。
ロングアイランドとは
まず、ロングアイランドと聞いて、ピンとくる人はどれぐらいいるでしょうか。
私は、そんなに多くないと思います。
現に私も留学が決まってから知りましたし、少なくても日本の学校教育の地理の授業で学ぶことはありません。
しかしニューヨークに行ったことがある、または住んだことがあるという方は、知っているという人もいるでしょう。
ロングアイランドは、アメリカ・ニューヨーク州に位置しています。
アメリカには50の州があり、そのうちのひとつで東側に位置しているのがニューヨーク州です。
日本人でもほとんどの人が、ニューヨークという街は知っていると思います。
しかし、意外と知られていないのは、ニューヨーク州は非常に広大な面積を有しており、皆さんがイメージしている大都会・ニューヨークはその一部分にしか過ぎないということです。
各州に州都があるのですが、ニューヨーク州の州都はニューヨークではなく、アルバニーです。
ですので、ニューヨーク州とニューヨーク市を区別する必要があり、ニューヨーク市はNew York City, NYCあるいはCityと呼ばれています。
NYCには5つの自治区があり、その中でも最も有名で、世界の経済の中心地であり、かつ皆さんが想像しているニューヨークがマンハッタンです。
実はマンハッタンも島で、東のブルックリンとクイーンズ、北のブロンクス、南のスターテンアイランド、そして西のニュージャージー州に囲まれています。
そしてマンハッタンの東側にある細長い島がロングアイランドなのです。
ロングアイランドは東西が非常に長く、南北が短い島です。
西端はブルックリンとクイーンズなので、NYCに含まれていますが、大半は東側のサフォーク郡と西側ナソー郡で構成されています。
私はその中でも東側のサフォーク郡に位置するストー二ーブルック大学に現在通っています。
ロングアイランドには大きな山はないのですが、サフォーク郡はいわゆる田舎で、林の中に家があり、大きな道路沿いにモールやレストランなどが集まっている場所です。
大学も自然豊かで、シカやウサギ、リスを毎日見て生活しています。

今日は、このロングアイランドの長所と短所をそれぞれお伝えしたいと思います。
長所
治安が良い
アメリカに行く方が最も心配しているのは治安ではないでしょうか。
残念ながら、アメリカは銃社会かつ格差社会なので、軽犯罪から殺人まで様々な犯罪の数が日本よりずっと多くなっています。
しかし、アメリカは都市や地区によって治安の良さが異なります。
ニューヨーク・シティはアメリカの中でも治安が良い都市のひとつで、その東側に位置しているロングアイランドはさらに治安が良いとされています。
これは多くのお金持ちがロングアイランドに住んでいることが大きな要因です。
マンハッタンには残念ながら多くのホームレスや、移民がいますが、ロングアイランドにはそのような人はいないため、安心して生活をすることが出来ます。
安全なため、大学のキャンパスは夜も全然一人で歩くことが出来ます。
アメリカには危険な都市や地域も多いため、治安の良さは本当に素晴らしい点です。
日本にいるとあまり治安を気にしたことがないという人も多いと思いますが、アメリカにおいては非常に重要な要素です。
アメリカに留学に行きたい、あるいは働きたいという場合、治安の悪いところには行きたくないですよね。
もっとも、アメリカ内では治安が良くも悪くもないという土地でも、日本と比べるとかなり悪いため、出来れば治安が良い都市・地域を選びたいと思います。
東海岸だと、ボストン、ニューヨーク、ワシントンD.Cが治安が良いとされています(フィラデルフィアやボルチモアはこれらより悪いです)。
アメリカでは田舎が治安が良いというわけでもありませんが、ロングアイランドはとにかく治安が良いため、本当に良い場所だと感じています。

大学の中。鹿が2頭、歩いています。このような光景は、日常茶飯事です。
天気が良い
アメリカでは西海岸のカリフォルニア州はあまり雨が降らないことで有名(雨が降らなすぎて、今山火事が大変なことになってしまっています)ですが、実は東海岸も雨はあまり降りません。
降ることは降るのですが、特に去年(2024年)の場合、8・9・10・11月はほぼ雨が降らず、ニューヨーク州は20年振りに干ばつの危険性があったほどです。
よってロングアイランドは非常に天気が良く、日本と比べると夏・秋は非常に過ごしやすい気候になっているのでおすすめです。
マンハッタンに行きやすい
次に挙げられるのが、マンハッタンを始めとするNYCに鉄道で行けるという点です。
ロングアイランドにはLIRR(Long Island Rail Road)という鉄道が走っており、サフォーク郡やナソー郡の街からニューヨーク・マンハッタンにあるPenn Station, Grand Central駅, ブルックリンにあるAtlantic Terminal駅までを結んでいます。
LIRRに関してはまた別のブログでまとめたいと思いますが、これは非常に便利で、私のように車がなくてもマンハッタンに行くことが出来ます。
車社会のアメリカで、このように鉄道が普及している都市はあまり多くないのですが、ロングアイランドはNYCの郊外ということで鉄道が発達しています。
そもそも、マンハッタンは非常に特殊な街で、街の中心部へ車で行くには通行料を払う必要があり、さらに歩行者が非常に多いため、車で移動するのは適切ではありません。
また、駐車をするのも非常に難しいため、車を所有している友人もマンハッタンへ行く際にはこのLIRRという鉄道を利用しています。
よって、ロングアイランドは特にサフォーク郡は田舎なのにも関わらず、世界一の街・マンハッタンへのアクセスが良いので、週末に気軽にマンハッタンへ行くことができるのです。
普段は都会の喧騒を忘れて過ごしたいけれど、たまには街で遊びたいという人に、ロングアイランドはピッタリです。
ちなみに私の場合、ストー二ーブルック大学にLIRRの駅(ストー二ーブルック駅)があり、そこからPenn Stationまでは乗り換え1回・約2時間で行くことが出来ます。
日帰りだと往復4時間なので、決して近くはありませんが、月に数回行く分には全く問題ありません。
逆にずっとマンハッタンに暮らしていたら、人が多すぎて疲れちゃいますもん。

↑Stony Brook駅にて、LIRR ロングアイランドの大動脈です。
車がなくてもなんとかなる
アメリカは皆さんが思っている以上に車社会で、東海岸だとニューヨークやボストン、ワシントンD.C.など一部の都市を除いて、生活において車が必須になります。
店やモール、レストランなどは全て道路沿いにあり、鉄道の駅の周辺はあまり栄えていなかったり、内陸部の場合、市内に鉄道や地下鉄がないという都市も多いです。
道路には歩道がないことも多く、ほとんどの場合アメリカでは車が無いと生活することすら厳しいです。
私が今いるロングアイランドのサフォーク郡も、もちろん車社会で、車がないと不便なのですが、車が無い私でもストレスなく生活することが出来ています。
それは、バスが運行されているからです。
ロングアイランドは東西にLIRRが走っているので、東西の移動は容易なのですが、南北を結ぶ鉄道がないため、鉄道の代わりにバスが運行されています。
そしてこのバスは、田舎なのにも関わらず、30分に1本運行されており(日曜日は1時間に1本)、運賃も1.25ドルです。
このバスは、LIRRの駅やスーパー、モール、街の中心部等を結んでいるので、このおかげで車がなくてもなんとか生きていくことが出来ます。
公共の交通機関が発達しているのは、アメリカでは当たり前では無いので、これもロングアイランドの強みだと思います。

↑買い物に行く際に使うバス。サフォーク群が運行しており、SCT(Suffolk County Transit)と呼ばれています。ナソー群やNYCではまたバスの運行会社が変わります。
短所
物価はアメリカの中でも高い
ロングアイランドは治安面では非常に魅力的ですが、富裕層が多いという点、そしてニューヨーク州の地域であるという点から、物価がアメリカの中でも高くなっています。
もちろん、マンハッタンよりは安いですが、それでも日本に比べるとずっと高いです。
ボストンに旅行に行った際に、物価がロングアイランドと比べて少し安いと感じたのですが、ボストンも世界の中ではかなり物価が高い方だとのことです。
アメリカはただでさえインフレによって物価が上がり続けているので、この問題は切っても切り離すことができません。

ロングアイランドで外食をする場合、どんなに安くても2000円はします。
風が強く、冬は寒い
ニューヨーク中心部は日本で言うと青森県と同じ緯度に位置しています。
青森は冬に非常に気温が下がり、雪が降ることで有名ですが、ニューヨークも青森ほどではないものの冬は非常に寒くなります。
アッパーステイト(NYCの北側に広がっているニューヨーク州のことを指し、州都のアルバニーやナイアガラの滝も含まれる)は豪雪地帯として有名で、それらと比べると、NYCやロングアイランドは寒くないですが、それでも冬には摂氏で氷点下になります。
また雪もある程度の頻度で降るので、冬は非常に厳しい季節になります。
またロングアイランドは海に囲まれているため、ニューヨーク中心部と比べて風が非常に強くさらに気温が低い環境で、雨が降った場合もあまり傘が役に立ちません。
冬の強い風は本当に寒いので、寒さが苦手な方にはロングアイランド、そしてニューヨークはかなりきつい環境だと思います。

↑12月下旬。1月から2月にかけてはさらに気温が下がります。
ロングアイランド自体は田舎
先程の長所で述べたように、ロングアイランドは田舎ですが、ニューヨーク・シティに鉄道で行くことができるのが強みです。
つまり裏を返せば、ロングアイランド自体は都会ではなく、またロングアイランド内に大きな街があるという訳でもないので、街の中心部で生活をしたいという人にはロングアイランドはあまりおすすめではありません。
わかりやすく日本で例えると、東京という日本の首都に2時間程で行くことが出来る山梨県の町で生活するのと、中核市ではあるものの東京からは離れている鹿児島市の中心部で生活するのを比べた際に、どちらが魅力的に感じるかということです。
これが山梨の場合、ロングアイランドは非常に魅力的な場所ですが、鹿児島の方がいいと思う場合はロングアイランドではなく、例えばアメリカだとクリーブランドやピッツバーグのような、中規模の都市の中心部の方が良いと思います。
私は正直どちらでも大丈夫なのですが、例えば日常の買い物においては中規模都市の中心部に住んだ方が、歩いてスーパーに行けるので便利ですよね。
私が現在留学中のロングアイランドのストー二ーブルックの場合、最寄りのスーパー(Stop&Shop)は徒歩50分、最寄りの郵便局&ポストは徒歩45分、最寄りのマクドナルド&スターバックスは徒歩1時間なので、バスや車の利用が必須です。
このように、ニューヨーク中心部まで2時間で行けるというロングアイランドの位置が魅力的に映らないという人がいるのも事実です。
大都市に近い田舎か、中規模都市中心部、どちらがより魅力的かに関しては皆様の意見がとても気になるので、ぜひコメントを送っていただけると幸いです。
本日は私が現在暮らしているロングアイランドについてでした。観光地はほぼないため、日本の旅行雑誌にもあまり情報は載っていませんが、留学や居住を考えている場合には是非参考にしていただけると幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

↑ロングアイランドの地図とLIRRの路線図。西側がより栄えているのがわかります。
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